ぬか床は、毎日かき混ぜた方がいい?
今回のテーマは、ぬか漬けがうまく行かない、ってことだった。
ぬか床を買ってきて、野菜などを漬けるんだけど、美味しくならない。
あるいは美味しいのは最初だけで、だんだん味がなくなっていく。
そんな場合、どうするの? って話だ。
で、最初の疑問として、ぬか床って、毎日かき混ぜないといけないの?と謎があった。
しかしぬか床をかき混ぜる理由を「ぬか床を空気にさらすため」と考えているのは、実は間違いなんだそうだ。
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というのも、ぬか漬けで野菜を発酵のさせる乳酸菌というのは、嫌気性、つまり酸素が苦手なのだ。
だからどっちかというと、酸素がない方がいい。
かき混ぜない方が、実は乳酸菌がよく繁殖して、たくさん乳酸を出してくれるのだ。
ただそれでは、逆に酸っぱくなりすぎてしまうし、表面と底の方に、乳酸菌以外のモノが繁殖してしまう。
それでぬか床を混ぜる必要があると言うことだ。
表面にできる産膜酵母が、ポイント
ぬか床をかき混ぜるコツは、表面にできる白いカビのようなモノを集めて、底の方に押し込むことらしい。
そして底の方のヌカをぬか床の表面に出して空気にさらすってことのようだ。
ぬか床の表面にできるのは、産膜酵母(さんまくこうぼ)と呼ばれる酵母菌で、空気に触れると繁殖して、嫌なニオイを出す。
逆に、空気にほとんど触れないぬか床の底の方には、酪酸菌(らくさんきん)が繁殖する。
こっちは靴下のニオイのようなニオイを出す。
ぬか床というのは、乳酸菌と産膜酵母と酪酸菌の3つの菌が、バランスよく存在している状態が良いので、表面のヌカを底の方に押し込んで、底の方のヌカを表に出すように、ヌカの位置を入れ替えることがコツだってことだ。
ぬか床が痩せてきたら?
ぬか漬けを続けていくと、だんだんうまく浸からなくなっていくことがある。
特に新しくヌカと塩を足したばあい、そういうことが多くなる。
この場合、昆布や唐辛子などを加えて、毎日かき混ぜてもうまく行かない。
と言うのも別に昆布や唐辛子が味を作っているわけではないからだ。
この時、ぬか床の中がどうなっているかというと、乳酸菌が少なくなっている。
つまり野菜を乳酸発酵させるための菌の数が、減っているのだ。
そして乳酸菌というのは、空気にさらされると活動が押さえられるので、毎日かき混ぜるとかえって繁殖が抑えられてしまう。
こういう場合、ぬか床が痩せてきたら、まずヌカと塩を加えて混ぜ合わせ、そこで3日くらい放って置くと良いらしい。
そうすると、ぬか床の表面に白いカビのようなモノができてくるが、そうなったらそれをぬか床の底の方に押し込むようにかき混ぜれば良いということだ。
どうなっているかというと、3日ほどかき混ぜずに放っておくと、ぬか床の中でまず乳酸菌が繁殖する。
そして乳酸菌が繁殖すると乳酸がたくさんできて、酸に弱い雑菌が死滅する。
そして雑菌が死滅すると、酸に強くて空気が好きな産膜酵母が活動し始め、カビのような白い膜を、ぬか床の表面に作る。
つまり、白いカビのようなモノができたら、ぬか床で乳酸菌が充分繁殖したと言うことらしい。
産膜酵母は、においが良くないので空気にさらされない底の方に押し込むと、今度は余分な乳酸をエサにして、良いにおいを出してくれるので、捨てないで底の方に押し込むと良いのだそうだ。
こうなると、新しくつけたぬか漬けはちょうど良い酸っぱさになるそうだ。
つまり菌のバランスが大事ってことだね。
結局かき混ぜるのは、夏は朝晩の2回、その他の季節は1回。
冷蔵庫に入れておけば、2~3日はかき混ぜなくても良いらしい。